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★「邪魔」★~誰にでも邪魔なものはある~



著者: 奥田 英朗
タイトル: 邪魔〈上〉

これは、かなりおもしろい!

文庫では、上下巻に分かれていて、長編の部類に
はいるのだと思うが、続きが気になって、ちょこちょこ
読んでいたら、あっという間に読み終わってしまった。

でも、あっという間に読めたといっても、今時はやりの、
ストーリー展開だけで引っ張って行く、ジェットコースター的
な小説とは違うところがすごい。

『プロットやテーマは二の次で、ディテールが命なのだ。』


これは、筆者が「野球の国」という著作で自らが述べている
言葉であるが、この小説もまさにエピソードの細部にわたる
丁寧な描写の巧みさ
によって、現実味が増し、いちいち納得
でき、現実の生活でありえるようなエピソードが積み重ねられていく。


【内容】

及川恭子34才。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の
建て売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。
久野薫36才。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。
7年前に最愛の妻を亡くして以来、不眠に悩まされている。

このなんの接点もなかった二人の関係が、恭子の夫の会社の
放火事件を久野が担当して以来、大きな展開を迎える。




主人公の二人は、交互に小説上に登場するが、考えてみると
実際に顔を合わせているのは、2回だけ。
それだけに、ラスト近く、平行して進められていた2人の話が、一つに
交わった時の場面は、非常に盛り上がっておもしろかった。

「最悪」も同じであったが、この作家は、ごくごく平凡な人たちの幸せが
たったひとつのほころび
から、取り返しのつかない崩壊を迎える・・・
という姿を描くのが実にうまい。

特に平凡な幸せを守る為に、悩み、あがき、開き直る恭子の
姿には、思わずエールを送らずにはいられない。
久野も同じである。
ラスト近くでは、久野の心中を思い、不覚にも小説を読みながら
涙してしまった。

「邪魔」というタイトルは実に意味深である。

久野にとっての邪魔、恭子にとっての邪魔

その対象こそ違え、人間は、自分にとって邪魔なものは、どんな
手段を使っても取り除かなくてはいけないのだ。



恭子はこれからどうなるのだろう・・。
そして、久野は?
無理な事かもしれないけれど、恭子には、花壇いっぱい花が咲き乱れる庭を
久野には、薬なしで安らかに眠れる夜が、もたらされる事を願わずには
いられない。
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プロフィール

えそらん

Author:えそらん
神出鬼没の回遊魚。
高校で国語を教えています。
はっきり言って、日本一古典の似合わない先生だと思います。

* ただいまハマリ中~*
 ミスチル
 ゆず
 小田和正
 福山雅治
 クリスチャン・ベイル
 ジョニー・デップ

・・・で、最近は松潤

と気が多いです。

* シフクTIME * 
  ライブ行くこと
  映画・海外ドラマ(米)鑑賞

* 老後の夢 *
・ロズウェルの円盤墜落現場訪問
・CIAに再就職(雇って~♪)
・アタック25の出演

『日々是好日』をモットーにフットワークのいい毎日をめざしています。

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