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桐野夏生 「魂萌え!」~「! をつけた意味って・・??」

桐野 夏生
魂萌え !

桐野夏生は、やっぱりただものではなかった。
?
「OUT」以来、彼女のファンである私は、最新作は、
犯罪物やルポルタージュ系ではなく、おまけに新聞小説
だったということなので、余り期待していなかった。
?
?
 59才の専業主婦が、突然夫に先立たれ、
 愛人、遺産相続、家族、友人などの問題を抱えながら
 段々と強くなっていいく。
?
?
「ふ~ん。今はやりの”再生””自分探し”の話か~。」
?
・・と思った程度。
?
でも、読み始めて見るとそれは、ただの日常小説では
なかった。
確かに、出てくる人間は、死体も切りきざまないし、
事件にも巻き込まれない。もちろん、体を売ったり
なんかもしない。
?
でも、全編通して感じられるのは、やっぱり”毒”
?
時々、彼女って、『性悪説』なの?
・・って思ってしまう事がある。
?
彼女は、表面的に”親切”を装う善人づらした人間の仮面を
ひっぺがすのが、ほんとうにお得意。
そして、そのひっぺがされた仮面の下にさらけ出される、
人間の持つ身勝手さ、醜悪さの描き方は、余りにもリアルで、
読んでいて嫌悪感を覚えるほど。
?
ところが、彼女のすごいところは、そこで終わってしまうのでは
なく、その最悪な人間に、最後は「ほろっ」とさせられて、
「なかなか、いいところあるじゃない。」
・・って、思わせるところ。
?
この小説の風呂ばあさんもそう。
愛人もそう。高校時代からの仲良しもそうかな。
?
誰もが、”最悪に嫌な奴”なんじゃなくて、”憎めないいい人”
を反対側に持っているんだなと。
?
でも、同時に、どんな”いい人”も裏側に”嫌な奴”の一面を持って
いるんだなと。
?
最後には、妙に納得させられてしまう。
?
そういえば、漱石先生も、小説「こころ」の中で、
?
「そんな鋳型にいれたような悪人なんてものはいない」
?
・・と言っていた。
?
「平生はみんな善人なんです。
それが、いざという時に急に悪人に変わるから恐ろしい。
たから油断が出来ない。」
?
だそうです。
?
確かに、”人間とは、そういうもんなんだ”と思って、つきあっていけば、
だまされたり傷ついたりすることも少しは減るかもしれない。
?
この小説の主人公敏子も夫の死をきっかけに、人間の持ついろいろな
面を目の当たりにし、遅まきながら大きく自立する事ができたのでは
ないだろうか。
?
突然、夫に先立たれ、
?
「これからは、喪失との戦いなのだ。」
?
・・と言っていた敏子。
?
こんな悲壮感からもいつか抜け出す事ができるに違いないだろう。
?
?
?
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プロフィール

えそらん

Author:えそらん
神出鬼没の回遊魚。
高校で国語を教えています。
はっきり言って、日本一古典の似合わない先生だと思います。

* ただいまハマリ中~*
 ミスチル
 ゆず
 小田和正
 福山雅治
 クリスチャン・ベイル
 ジョニー・デップ

・・・で、最近は松潤

と気が多いです。

* シフクTIME * 
  ライブ行くこと
  映画・海外ドラマ(米)鑑賞

* 老後の夢 *
・ロズウェルの円盤墜落現場訪問
・CIAに再就職(雇って~♪)
・アタック25の出演

『日々是好日』をモットーにフットワークのいい毎日をめざしています。

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