全く、前日まで興味ゼロだったのに、めざましテレビで”予約40万部”と聞き、
その後、なにげに寄ったエキナカの書店で売り切れだった事で、一気に私の
ミーハー魂に火がついた。
やはり、話題作は、その日の内に押さえておかなくては!
本日ゴッホ展に行くはずで、外出したのであるが、急遽、ゴッホ展を後回しにし、
途中下車した駅ビルの書店で購入。そのままそこにあるレストランに
入ってオムライス食べながら読み始めた。
そして、そこからのゴッホ展への往復の車中と合わせて、ちょうど1時間半・・
・・読了!
・・で、感想。
う~ん。アマゾンで叩かれている程には、そんな、”最悪”っていう
感じはしないけどね。
まがりなりにも、続きが気になって、1時間半、集中して読んでいた
わけだし、話し自体は、そこそこ面白い。
一言でいうと、星新一のショートショートを水増しして単行本に
した感じ。
ただ、オチに徹しているのか、人間の生と死を語ろうとしているのか、
どっちつかずになっているので、今一つ、何が書きたいのかがよく
わからないのである。
それに、人物の描き方がまずいと思った。
40歳の人生に疲れた男性が主人公であるのだが、これが、ちっとも
中年らしくない。
要所要所にオヤジギャグ連発で、これで”中年”を表したかったのかもしれないが、
主人公には、今日まで年を重ねていった年輪が全く感じられない。
中年の哀愁が全く感じられないのである。
そもそも、主人公が40歳である必然性が全くない。
作者自身がまだ若いのだから、無理して中年を主人公にする必要もなかった
のにね。
等身大の青年が自殺志願という設定の方がよかったように思う。
続いて、文章
文については、ゴーストライターがどうたら、発売前からいろいろ
書かれてたけど、でも、この本を読んだ限り、ゴーストライターは
いないでしょう(^_^;)
はっきり言って、大人相手には、ちょっと幼稚すぎる文章かなと思った。
背景や人物描写に広がりがなく、想像力をかきたてられる人物設定では
ない。
ま、言ってみれば、”文学”というよりは、ケイタイ小説か、ライトノベルの
ような軽い感じである。
失礼ながら、
”本当に名前を隠していて、選考者の目に留まったのかなあ・・”
と疑いたくなるような文章であった。
でも、まあ、作者も若いしね。
もっと、もっと経験を積み、知識も増えれば、この小説のように、
”生”や”死”が、机上の事のように描かれることも
ないだろうし、文章にも深みが出るように思う。
途中、命について、いいこともちらほら言ってるしね。
このまま叩かれて終わるのではなく、頑張って次回作を
執筆して欲しいですね。
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